夢は大きく歩みは手堅く

トリハダ代表 野島優一のブログ

日本人が平和ボケしてるのは事実だろうけどそれは社会が安定してるからであって、ハングリー精神を取り戻すには社会を不安定にするしかないけどそれって結局幸せなのか?と思うんです

言いたいことはタイトルでほぼ言い切った感がありますが以下肉付けです。酔っているのでやや雑です。

毎度ながらデータをとったわけではありませんが、現代の日本人が平和ボケしているのは事実だと思うのです。例えば50年前や70年前の日本と比べたら、あるいは近年の中国やインドと比べたら、どう考えても現代の日本人の方がのんびりしていてハングリー精神がないだろうとという話です。

そしてそれは現代の日本が極めて平和で安定しているからだと思うのです。治安は世界最強で夜1人で歩いていても襲われる可能性は決して高くない(もちろんゼロではない)。北朝鮮とのミサイルが云々という話もありますが少なくとも現在は戦争も紛争もない。暴力団も排除が進んで、日常生活で身の危険を感じることは少ないと思います。

そして物価が安い、しかもコンビニやユニクロのおかげで安くてもそれなりのクオリティのものが手に入る。それも日本中のかなりの範囲で手に入る。むしろ最近のセブンイレブンは惣菜も弁当もかなり美味い。家賃も場所を選べばかなり安く抑えられる。贅沢をしなければ、日々の暮らしはアルバイトであっても十分成り立たせることができると思います。貯金はあまりできないかもしれないけど。

働き口も最近は増えてきて、求人倍率もそれなりの数値になっていると聞くので、あくまで理論上ですが、選り好みしなければ仕事はあるということになります。

いろいろと細かいツッコミはできますが、全体としてはとても平和で安定しているはずです。

そりゃ平和ボケするだろうよ。

で、これは仕方ないことであり、同時にいいことでもあるはずなんです。なぜならこれまで社会を構築してきた世代の人たちは、こういう平和で安定した社会を作るべく頑張ってきたはずだからです。その意味において言えば、現代の日本は理想が実現された社会だとすら思います。そんな社会の中で生まれてずっと生活すればそれに慣れてしまうのは当然で、平和ボケもするし、ハングリー精神なんてなくなって当然です。

付け加えておきたいのは現代の大企業経営者についてです。サラリーマン社長が多いとよく聞きますし実際そういう事例をよく目にします。ここ数年で不祥事があって記者会見で謝罪している社長の中にも多くて、覇気がなかったり、無責任な発言があったりします。その人達の経歴を見ると、新卒からずっとその会社だったりする。しかもその会社の業績面での最盛期を経験していたりする。

さらに大企業では一般的に(あくまで一般論ですが)無難な人が昇進していったりするわけです。減点主義の中、トラブルを起こさず、杭として出すぎず、みたいな。

そりゃ平和ボケするだろうよ。ねぇ。

新しく事業を起こしたり、会社として大きな賭けに出るようなリスクテイクをした経験があったり、そうでなくとも会社の窮地を経験したり、ということがなければ、大胆な行動ができるタイプの人間は育たないと思うわけです。

で、これも前述の社会全体の話と同じで、ある意味では理想的な状況なんです。創業者やそれに次ぐ経営者・役員・社員たちが波乱の中を切り抜けて会社を成長させ、業績の安定を図った。結果、大きな賭けなどせずとも安定して事業が回っていく環境や仕組みを作ったわけです。これは経営努力として素晴らしいし評価されるべきものです。でも一方で、その仕組みができあがったところに入ってきてその中でしか働いたことがない人達は、当然ながら危機管理能力もないしリスクテイカーでもないわけです。彼らが悪いわけでもない。

そんな現代において日本人は平和ボケしている。それは事実であって、批判ともとらえられるけど仕方ない部分が大きい。むしろそういう平和と安定のためにいままで努力してきたんじゃないのかと。それが理想だったんじゃないのかと。

で、今後の世界の中でより幸せな社会を築くためには、日本人にハングリー精神がもっとあった方がよいという意見がある。僕もその目的に対して考えればもちろんそう思います。でもそのためには社会が不安定になる必要があるわけです。それって結局幸せなんだろうか、とちょっと疑問が残るのです。

社会の安定は理想的なことであるはずなのに、実は悪なのか?みたいな。どっちが幸せなんでしょうね。