夢は大きく歩みは手堅く

トリハダ代表 野島優一のブログ

60-70年代のアートが世界的に再評価されているらしい

のだそうです。

個人的には、アートとはずれるけどすごく思い当たるところがあって、この時代のものにここ数年ハマっています。

ちょうど60-70年代の、寺山修司横尾忠則が活躍した演劇の周辺の美術に2年くらい前からハマっています。新宿なんかにあった劇場でかなり過激で前衛的な演劇をやっていたようで、これは海外でも評価されて公演もやっていたみたいです。演劇そのものについてはまだ詳しく知らないのですが、面白いのはそのポスター達。演劇の内容が過激なことも相まって、今の時代からすると頭がおかしいのではないかとさえ思ってしまうくらい奇想天外なものが数え切れないくらいあります。渋谷のポスターハリスギャラリーというところがよく展示をやっているので興味ある人は観に行ってみてください。

それから音楽のアナログレコード。CDの登場とともに消え去りつつあった媒体ですが、実はここ数年で人気が再燃しています。日本でも大型レコードショップが新たにできたり、アメリカでは2015年にレコードの売上が過去最高を記録したりと、世界的にブームになっています。おそらくクラブ文化の普及に伴っているのかと。で自分もそれに乗っかった感じですが、実際にレコードで音楽を聴くのはすごく楽しくてハマる一方です。もちろんダウンロード配信やストリーミング配信の手軽さとは真逆で、まずわざわざレコード屋に出向いて好きなレコードを探し当て、持ち帰ってレコードをケースから取り出し、そしてターンテーブルに電源を入れて盤を回して、針を置いてようやく聴けるという、冷静に考えればアホみたいに面倒くさい手順が必要です。そしてレコード屋では商品の検索なんてできないのでインデックスを頼りに1枚ずつめくって探すハメになります(オンラインストアは除く)。AmazoniTunesがなかった時代と全く同じことをしているわけですね。CDと比べてもだいぶ面倒です。曲の頭出しも手探りです。大体30分くらいで片面終わってしまうので時々裏返す必要もあります。でもそのすべてが楽しくて、自分でも驚いているくらいです。たまたま僕の好きな音楽は60-70年代に発売されたレコードが多かったりすることもあり、前述の再評価の対象と重なります。

カメラではフィルムカメラも人気が再燃しているようですね。僕も『フォトグラファーズ・イン・ニューヨーク』(原題『Everybody Street』というニューヨークのストリート写真家のドキュメンタリー映画を観て興味を持ちました。デジカメやスマホで写真を撮るのはすごく手軽で、何枚でも撮れて、撮り直しも加工もできてなんでもありでそれはそれで良いのですが、フィルムカメラは枚数制限があり、撮り直しができない、それどころか現像するまでどう撮れているかわからない始末。加工も素人にはできません。けどその不便さや、自由の効かなさが逆に楽しかったりするのだと思います。

 

レコードとフィルムカメラは必ずしもアートに分類されませんが、文化として広く捉えれば同じ流れにあるような気もします。背景にあるのは、デジタル化が進んだことでアナログへの反動が起こった、あるいはアートに関してはもうあらゆるものがやり尽くされてしまってネタ切れになりつつあり、古いものに新しさを求めるみたいな流れができた、みたいなことでしょうか。